こんにちは。
豊かな食材溢れる瀬戸内海に面した、広島県福山市に佇む隠れ家料亭『一燈照隅』の元嶋です。
10月下旬から11月初頭にかけては肌寒い日が続いておりましたが、ここ数日は暖かい日が続いており、この3連休はお出かけするには最適な天候となっておりますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
福山市内では、この3連休各所でイベントが開催され、福山駅前も数多くの観光で訪れられた方々でにぎわい、まるでコロナ禍が嘘のような日常を迎えております。
さて、本日は、当店の店名の由来となっております『一燈照隅』の言葉について紐解き、当店が遂行するべき使命について少しお話しさせて頂きたいと思います。
【『一燈照隅』の由来は、平安時代に最澄が唐より持ち帰った言葉】
ここで突然ではございますが、皆様『一燈照隅』という言葉の意味をご存じでしょうか。
ご存じでない方々の為にも、まずはこの『一燈照隅』がどのように生まれ、そしてどのように現代まで語り継がれてきたのかをお話していきます。
『一燈照隅』その言葉の由来は、約1,200年ほど前まで遡ります。
時は、平安時代。
比叡山延暦寺を建立し天台宗の開祖として名高い、伝教大師”最澄”が唐より持ち帰った”一燈照隅 万燈照国”という言葉が由来となり日本全国へ広められたことが起源と言われています。
【唐からもたらされた”一燈照隅 万燈照国”の意味とは…】
”一燈照隅”の言葉の由来が、唐からの言葉だとお伝えさせて頂いたところで、次にその起源となった”一燈照隅 万燈照国”の意味についてお話ししていきます。
分かりやすくお伝えすると、
「最初は一隅(物事の片隅)を照らすような小さな灯火でも、その灯火が十、百、万と増えれば、国中を明るく照らすことになる」という意味です。
そこから派生して、現代では、一人一人が自分が置かれている環境で精一杯努力することが、組織全体にとって最も貴重であるという教えとして広まっています。
【”一燈照隅 万燈照国”の意味から紐解く、私たち『一燈照隅』の使命とは…】
『一燈照隅』の由来をお話しさせて頂いたところで、この言葉から紐解き私たち『一燈照隅』が実行していくべき使命(ミッション)について今一度考えてみました。
”一隅を照らす”。一隅とは、ものごとの片隅のことを指します。
当店では、この片隅を、普段日の目を見ない食材だと考えました。
料理長が足繁く通う”岩船水産”さんからお話を伺うと、「ベラやグチといったお魚をご存じですか?このお魚たちは鮮度が良い状態でお刺身で食べると絶品なのに、小骨が多かったり、上身にすると量があまりとれないなどの理由から敬遠され、市場にトロ箱でもっていかれて二束三文でたたき売りされているんです。」とおっしゃられておりました。
このお話しを伺い、実際に召し上がらせて頂いたところ、その素晴らしさに感動しました。
総料理長は、「ぜひうちでお出ししたい。この素晴らしい食材をお客様にお召上がり頂き、こんな素晴らしいお魚が瀬戸内海にはたくさんいるんだということをお伝えしたい』と熱く語っておりました。
片隅にいていつも日の当たらない食材たちにスポットを当て、それをお客様にお届けすることで、お客様が元気にそして笑顔になってお帰り頂きたいと願っております。
【一隅を照らし、そしてお世話になった福山へ恩返しをしたい】
総料理長は、お魚だけでなくお野菜にもスポットを当てます。
直接足を運び買い付けに行くのはお魚だけでなく、お野菜も契約農家さんや、JAが運営する地元の農家さんが丹精込められて育てられた地元野菜が並ぶ産直へ赴き、必ず自分の目で見て、手で触って選びます。
「福山の野菜は、他県のものに比べ、土壌が良いため色が濃く、とても甘みがあります。
関西から福山へ赴いてから約30年。
ここ福山ではたくさんのことを学ばせていただき、たくさんの方々とのご縁を頂きました。
その方々へ少しでも恩返しできるよう、福山の素晴らしい食材たちを一人でも多くの方に知って頂き、福山ブランドをもっともっと上げて、農家さんや漁師さんたちと一緒に、福山という街全体を盛り上げていきたい。」と総料理長は語っています。
今後とも一燈照隅をどうぞよろしくお願い致します。