こんにちは。
豊かな食材溢れる瀬戸内海に面した、広島県福山市に佇む隠れ家料亭『一燈照隅』の元嶋です。
1月も中旬を迎え、毎日厳しい寒さが続いておりますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
暦上では”立春”とも呼ばれる、子供も大人も楽しみな『節分』の季節が近づいて参りました。
本日は、その誰もが親しみ深い『節分』について歴史を振り返りながらご紹介し、正しい節分の過ごし方についてお話ししていきます。
<本日の目次>
- 節分って何?実は一年に4回あった!?
- 豆まきをする理由とその正しいまき方
- 実は地域によって節分の過ごし方には違いがあった?
- 節分に食べるものといえば?
【節分って何?実は一年に4回あった!?】
節分は私たちにとっても、とても身近な行事でご存じの方も多いとは思いますが、節分とはいったいどんなことがきっかけで始まり、どんなものなのかを簡単にお話ししていきたいと思います。
2024年の節分は2月3日(土)です。
太陰太陽暦では立春を元日とし、新年の始まりでもある立春の前日に、節分が行われるようになったと言われています。
では、節分とは具体的に何をする日なのでしょうか。
一般的には皆様もご存じの通り邪気を払い、無病息災を願う行事です。
古より「季節の変わり目は邪気が入りやすい」と考えられ、「この時期(2月上旬)はまだ寒く体調を崩しやすい」ことから新年を迎えるにあたって、邪気を祓い清め、一年間の無病息災祈る行事として宮中で始まったのが起源と言われています。
宮中行事としては徐々に衰退し、いつの頃からか、それは豆をまいて鬼を払い無病息災を願う「節分」という行事として庶民の間に広まり、定着したのが現代まで伝え広まったのです。
もともと、節分という言葉には、季節を分けるという意味があり、本来は季節の始まり日である二十四節気の「立春、立夏、立秋、立冬の前日」のすべてを指すのだそうです。
【豆まきをする理由とその正しいまき方】
古来より日本人は、言霊の存在を信じ、言葉と霊力を生活のなかに取り入れてきました。豆をまくようになったのは、室町時代で、豆=魔目(鬼の目)を滅ぼすということに由来されています。
また、豆は五穀(米、麦、ヒエ、アワ、豆)の象徴であり、古くから農業中心の生活を送ってきた日本人は、これに神が宿っていると信じてきました。
節分に使う豆は、前日に炒って枡に入れ神棚にあげておくのが正式な作法で、お祓いを行うとなおよいとされています。
また、基本的には大豆を使用しますが、炒り豆にするのは、後から芽が出てこないようにするためです。芽が出ると「凶事が起こる」など、昔の人は大層それを恐れたといいます。(鬼の目を)射る=炒るという語呂合わせからきているのだとか…。
では、節分の時どうやって豆をまけばいいのでしょうか?
本来、豆まきは家長の役目といわれるが、最近では年男、年女や、厄年の人が行う場合が多いこともあるそうです。
1)前日までに、炒った福豆を枡に入れ神棚に供えておく。神棚がない場合は、白い紙の上に福豆をのせ、目線の高いところに供えておく。
2)節分当日、鬼は深夜(丑寅の刻)にやってくるといわれているので、豆まきは夜に行う。午後8時~10時の間に、福豆を入れた枡は左手に、胸のあたりで持って、下手投げのように右手でまきます。
まず、玄関、窓、戸口などを開け放ち、奥の部屋から順番に、外に鬼を追い出すように「鬼は外!」と声をかけながら豆をまき、まわったら、福を逃さないようにするために、すぐに戸締りする。
3)今度は「福は内!」と部屋の中に向かって、豆をまく。玄関は最後に行います。
4)豆まきが終わったら、1年の厄除けを願い、自分の年齢よりも1個多く豆を食べる。この豆は「年取り豆」といい、家族全員で食べるのが良いそうです。
【実は地域によって節分の過ごし方には違いがあった?】
「節分には豆を食べる」ことで魔よけや厄除けをするのが一般的なイメージですが、実は地域によって違いがあることをご存じでしょうか。
ここでは一部面白い風習についてご紹介します。
〇柊鰯(ひいらぎいわし)
特に大阪や京都といった関西を中心に行われる風習で、焼いた鰯の頭にとげとげのある柊を刺して玄関に飾ります。
柊のとげとげと焼いた鰯の香りと煙で鬼を近づけないようにする効果があるそうです。
〇目籠(めかご)
軒先の高い場所に、竹竿で目籠(目の粗いカゴ)を吊り下げて、鬼を追い払う静岡県の中西部の風習で「鬼おどし」とも言われています。千葉県では逆さまに吊るした目籠を、鰯の頭を大豆の枝に刺したものと柊、グミの枝を束ねて門口に刺し、鬼が近づかないようにしているそうです。
【節分に食べるものといえば?】
最後に全国で節分に因んで食べられているものについてご紹介します。
恵方巻
今や節分の定番ともいえる恵方巻きですが、その発祥は大阪と言われています。
節分に恵方を向き、願い事をしながら太巻きを黙々と最後まで食べるというもの。
太巻きの具は、七福神にあやかり、福を巻き込むという意味も込め、七つの具を入れるのがよいとされており、太巻きは、鬼が忘れていった金棒という見立てもあるようで、食べる=鬼退治という意味合いもあるそうです。
こんにゃく
食物繊維豊富なこんにゃくは体内を綺麗にする食べ物として、昔から大晦日や節分などの節目の日に食べられてきた。四国では節分に食べるこんにゃくを「砂下ろし」といい、これは体内の毒素を排出するという意味があるのだとか。
節分そば
あまり馴染みはないが、江戸時代には「年越しそば」と呼ばれ、そばは節分に食べるものとして全国的に普及していたという。諸説あるが、麺が切れやすく厄落としができるという縁起担ぎで食べられるようです。名産地である島根県出雲地方、長野県では、現在も節分にそばを食べる風習があります。
このように、全国では節分=季節の分かれ目に、古くから厄除け・魔よけ・開運のため、様々な食材を用意し、それを食べることで、鬼を払ってきたのです。このほかにも全国では数多くの開運食材があります。
当店では、こういった全国津々浦々で食されている開運食材を集めて、『全国開運食材を堪能する会』を節分に開催し、今年一年の幸運を引き寄せるイベントを予定しております。
ご案内まで今しばらくお待ちくださいませ。